華鬼関連の二次創作小話を掲載しております。
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響が桃子で遊ぶのはもはや趣味です。
やっと荷解きが終わったのは、午後1時をゆうに過ぎたときだった。
とりあえず片付けは置いておいて昼食にしようということで、桃子が持ってきた弁当を3人で食べた。
ひと心地つき、さて本格的に片付けに入るか、と腕を伸ばしながら寝室に入ると、そこには京也が着るはずの制服を身に纏った響がベッドの上に鎮座している姿が目に飛び込んできた。
「……響、なにやってんだ」
呆気に取られた京也の視線に満足したのか、機嫌よく響は笑った。
「ちょっと懐かしいと思って着てみた。これは俺の頃と変わらないな」
服をつまみながら満足そうにそういう響は容姿も含めてまさに生徒そのもので、
一昔前はこんな格好で響はこの高校に通っていたのだな、という思いと、
今この姿で生徒ですといっても全く違和感がないなという複雑な思いが京也の胸に去来していた。
しばらく片付ける気も失せて上機嫌な響を眺めていると、荷物を持った桃子が通りかかった
「ちょっと京也何ぼーっとして……ってうわ、響!?」
キンとする響く声で叫んだ桃子の声は驚きに満ちていて、そんな桃子に響はひらひらと手を振った。
「うわーすっごい懐かしい格好……それ京也のでしょ?」
「そう、俺の。勝手に響が着たらしい」
肩をすくめて京也がそういうと、心なしか引きつった顔の桃子に響がにやりと笑いかけた。
「似合ってるだろ?」
「似合ってるも何も昔のまんまで、すっごく……すっごく……」
心なしか震えている声に訝しげに京也が桃子を見ると、桃子はキッと響を見据えてありったけの声で叫んだ。
「……すっごく ム カ つ く ! あああ、思い出したら何か顔見てるだけでイライラしてきた!!
ごめん京也、あたし向こう片付けてるから!」
そういうや否や、桃子は物凄い勢いで部屋から出て行った。
「……響、桃子で遊びすぎだろ」
「そうか?」
事も無げに笑った響は心底楽しそうで、実の父ながら本当に捻くれた男だとしみじみ思った。
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