華鬼関連の二次創作小話を掲載しております。
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京也がなんか総じて苦労症みたいになってしまった(´・ω・`)
しかし世話好き=苦労症という方程式はあながち間違っていないと思うがどうなんでしょうね。
部屋に戻ると桃子が京也のベッドにごろんと横になって静かに寝息を立てていた。
一番張り切って動いていたからだろうか、疲れを滲ませた表情で眠る桃子の横で食事をセッティングすると、響がぺちぺちと桃子の頬を叩いた。
「おい桃子、飯だぞ」
しかし桃子は小さく眉をしかめただけで、起きようとしない。
桃子の様子に小さく響はため息をつくと徐に耳に口を寄せて囁いた。
「起きないと、このまま襲うぞ」
すると、桃子はなんともいい動きで瞬時に起き上がったかと思うと、枕を手にキッと響をにらみつけた。
「あ、あんた最低っ……!」
「食うぞ、桃子。飯が冷える」
しかし響はそんな桃子の様子を大して気に留めず、料理に手をつけはじめる。
若干寝ぼけが入っていた桃子は、響の不謹慎な囁きが自分を起こすためだったことを知って、それ以上追求しようとはせず黙って食卓に座った。
京也は料理を口にしながら、昔から見てきてはいるが、両親のこの関係はいつ見ても面白く不思議なものだとぼんやりと思った。
「じゃあね、京也。ちゃんと戸締りはしておきなさいよ」
夕食を食べ終わってしばらくしてから、ようやく両親は腰を上げて帰り支度をはじめた。
母親らしく心配げにあれやこれやと小言を残していく桃子にはいはいと適当に頷く。
するとやっと本来の服に着替えた響がそろそろ行くぞと桃子を促した。
「じゃあまたね……華ちゃんと神楽君とちゃんと仲良くするのよ?」
最後に俺は子供かとつっこみたくなるような言葉を残して、桃子と響は出て行った。
外を歩く両親の姿を見届けてから窓を閉め、ふうとひと心地着く。
何の気なしに辺りを見回すと、昨日まで何もなかった部屋に物が揃い、いよいよここで生活していくのかという気持ちが湧いてくる。
一週間後には神楽も寮に来る予定だ。それまで適当に時間を潰すか、と思った京也は、
このあと数日間、響の息子だということで、いろいろな噂に苛まれることになるとは露ほども思っていなかった。
fin
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